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2012年6月 1日 (金)

『犬たちをおくる日』から、殺処分とは、どういうことか。犬や猫に、何をすることか。

★里親さん内定やお見合いなど、嬉しいニュースもあるのですが
 それはさておき、今日はちょっと、恐ろしい話をします。
 長くなりますし、こころの準備のない方、
 読まないほうがよいかもしれません。
 でも、できたらたくさんの方に読んでいただいて
 こんな現実があることを、また改めて知っていただけたらと思います。



折しも、昨日のミクシーニュースで、このような記事が出ました。

 ■犬や猫の殺処分ゼロに…民主WTが愛護法改正案
 (読売新聞 - 05月31日 20:47)
  http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=2034174&media_id=20

殺処分をゼロに。
そんな夢のような話が本当にできるのでしょうか。
わたしがこのことにどうしても懐疑的になるのは、
殺処分の現実を少しは知っているからです。

それに、この法案によりかえって、さらに多くの
一般の飼い主や業者などで、受け入れを拒否された人による
犬猫たちの放棄、処分、別の形での殺処分等が心配されます。

ちょうど昨日、親しい友人が一冊の本を贈ってくれました。
『犬たちをおくる日』
  (今西乃子著、浜田一男写真、2011年2月第13刷発行、金の星社刊)

大きな字、しっかりした写真で
その本は、日本のひとつの現実をわたしたちに教えてくれます。
写真はここでは転載しません。
本には、ガス室に入れられた犬たちの写真など
見るのを憚られる写真も多く載せられています。
さらに現実について知りたい方、
ご自分でぜひ、購入なさって読んでみていただきたいと思います。


犬猫たちの殺処分について書かれた本があれば
普段のわたしなら、決して買わないし、読まない。
それがどんなことか少しは知っているし
それによって自分の感情がまたかき乱されるのも怖いから。

でも、友人が贈ってくれたから、という理由だけでなく
今日は久しぶりに現実と向き合うために
この本を読んでみました。

帯には、「捨てられる命を一頭でも減らす社会へ――。
日本一の動物愛護センターを目指して、日々、奮闘する
愛媛県動物愛護センター職員たちの日常を追いながら、
命の尊さを考えるノンフィクション。」とあります。

そう、この本は、センターの職員の方の目線で書かれた本なんです。
たとえば、数字について。

“ここのセンターの総工費は約十三億四千万円や。うち、なんと
約一億七千万円がこの管理棟の設備費用だけん……。
犬・ねこを処分する施設のために、それだけ高額の税金が投入されとる。
こんなあほらしいことがあるか?”


さらに、こんな数字もあります。

“収容犬と収容ねこの餌代が年間百八十万円、
処分後の死体を焼却する焼却燃料に、
年間三百万円以上もの税金が投入されているのである。”


わたしたちはよく、年間何十万頭の犬猫たちが殺処分されたか、
などの数字を目にしますが
ここに出ている数字は、やむなく殺処分する側のお金の問題であり
それらが住民の税金であるという点に
わたしたちの目を改めて開いてくれます。

さらに、飼い主によって次々に持ち込まれる犬や猫のこと。

“人をかんだ、世話ができない、しつけができない、
 飽きた、バカな犬だからいらない……。
 あきれるほど身勝手な理由で、次々と犬を置き去りにしていく。”
“自分の犬を平気で他人に殺させる飼い主たち。”


ここに、一つの挿話があります。
紀州犬を持ち込んだ飼い主と犬のはなしです。

「ここに、その手で、あんたの犬を入れてください」
「おお、ええけん、ほな、おまえとはここでおさらばじゃ」
 言うと、飼い主は一瞬たりともひるまず、自分が今まで飼っていた犬を、
ステンレスの格子で囲まれた犬収容室にみずから乱暴に放りこんだ。
 犬は状況が読めないのか、ウロウロしながら飼い主を見ていたが、
飼い主が後ろを向いて通用口のほうに歩いていこうとすると、
とたんに大声でほえ始めた。
「行かないで! ぼくを捨てないで! きっと迎えに来て!
 ずっと、ずっと待ってるから!」


このあと、職員は耳を疑います。
いま、自分の犬を捨てた、その飼い主が
センターで世話されていた譲渡用の可愛い子犬に目を留め、
一匹ほしいと、悪びれもせずに言うのです。


もうひとつ、挿話があります。
役所に飼い犬を持ち込んだ、母と子たちのはなしです。

「チャッピーは、ここで殺されるって聞いたけん。
だから最後に記念写真を撮りに来ました!」
「殺されるって、おたくがこの子を役所に持ちこんだんでしょう?
あなたが大事に飼ってくだされば、この子は死ななくてすむんですよ!」
「飼えないから引き取ってもらったんです!」
(中略)
「君の犬やぞ!」
「いらんけん! 記念写真も撮ったけん、もうええ」
 言うと、子どもたちは「チャッピ―!バイバーイ!」と手をふって、
管理棟から出ていった。
 チャッピ―はほえた。声のかぎりほえ続けた。
「行かないで! ぼくを捨てないで! きっと迎えに来て!」




そして、殺処分は、このように行われます。

“犬たちに苦痛をあたえることだけは、絶対にさけたい。
伸生は何度も何度もモニターを確認しながら、追い込み機を動かした。
 犬たちが徐々に処分機に近づいてくるのが見える。
 自分たちの身に何が起こったのかわからず、おっかなびっくり、
追い込み機を見て前進している。(中略) 
 こうして追い込まれた犬たちは、わずかひと坪にも満たないほどの処分機の中に、
みずからの足で入っていくのだった。
(中略)
ひしめき合う三十頭の犬たちの表情は、人間を疑っているようには見えなかった。
 伸生は、間髪をいれず、ガスの注入ボタンをおした。
 次の瞬間、異変を感じた犬たちがあばれ始めた。モニターは微動だにしないのに、
犬たちの動きが激しくなるにつれ、地面がゆれているような錯覚におちいる。
(中略)
 犬たちは顔を上に向け、その口を大きく開き、胸のあたりを波打たせてあえいでいる。
 ガスが下から上に流れるため、大きい犬ほど長く苦しむ。
 ハアハアと舌を出し、酸素を求めるかのようにあえぎ続ける。
 そして数分後――。
 犬たちは折り重なるようにその場にたおれこみ、小刻みにふるえ、息絶えた。”


かなり略しました。
本には、もっと克明に、実際にボタンを押す人の
怒りと悲しみの混ざり合った目で見た一刻、刻一刻が記されています。


このあと犬たちは八百度で焼かれ、骨は粉々にくだかれ、土嚢に詰められて
産業廃棄物として処分されます。

猫と子犬は、ここでは一緒に処分されます。
生れたての子猫は呼吸が浅いため、ガスの注入を留めてから一、二時間放置しないと
まれに生き残っている場合があるそうです。
野良猫は法律上、保健所が捕獲することはありません。
つまり、猫はすべて、飼い主による飼育放棄だとこの本には書かれています。

(注:実際は、飼い主のみが子猫などを持ち込むわけではありません。
   たとえば、猫が増えて困ると苦情の出た地域で捕獲された猫たちが
   住民等により持ち込まれるケースも非常に多いのです。
   でも、もともと野生の猫など存在しない、いま生きている野良猫は
   かつて何等かの形で捨てられ、避妊去勢のないまま繁殖した、
   その末裔であることを考えたら、大きな意味で、
   すべて飼養放棄といえなくもないとわたしは考えます。)



わたしは数年前から、個人で細々と猫の保護活動をしています。
わたしが保護し、里親さんを見つけてあげられる猫の数など
毎日殺される犬猫たちの数にすれば、ほんのわずかです。
でも、こうした現実があって
実は、殺したくないと願っている愛護センターの職員の方たちがいて
毎日そこに、昨日まで飼っていた犬や猫をもちこむ飼い主たちがいる、
そのいま、
とにかく自分に出来ることを、少しでもしたい。
一匹でも助けてあげたい。
その思いで、今日も猫たちに囲まれて暮らしています。

どうか、飼い主の皆さん、
飼っている動物を安易に捨てないでください。
先週から我が家で保護した子猫たちは、
神戸の山に二匹で捨てられていました。
小さなからだで寄り添ってぽつんと公園にいた子猫たち。
野良の子ではなく、明らかに、さっき捨てていかれた、
そんな状況だったそうです。

この子猫たちも、保護されなければ、いずれカラスにやられるか
近くの国道で轢かれるか、
とにかく命はそう長くなかったでしょう。
或いは、保健所に届けられれば、
上記の本にあるような最期しか待っていません。

全部飼えないなら(飼えるわけないのですが)
飼い犬・飼い猫に、避妊去勢をしてください!
これは、全国の動物保護ボランティアからの切実なお願いでもあります。
安易な考えの飼い主による、避妊去勢のないまま生まれてきた
小さな命の大変な世話を、日本中の保護ボランティアたちが代行しているのです。

また、何等かの飼えない理由ができたとしても
すぐに愛護センターに持ち込むことは、やめてください。
それは、自分では手を汚さず
自分の責任ある動物を、他の人に殺させる所業です。

動物には、程度の差はあれ、感情があります。
痛い、怖い、おかあさん!(おとうさん)
こんな感情を、犬も猫もみんな持っています。
噛んだり、オシッコをしてしまったりするのは
なにか理由がある場合が多いです。
いたずらも、飼っているから味わえる可愛さです。
どうぞそれを、一生楽しんで、最期まで一緒に暮らしてあげてください。

万一、どうしてもどうしても飼えない辛い事情ができたときは
どうぞ、わたしたちのような保護ボランティアや団体を必死で探してみてください。
その子の、一度はあなたが可愛がった動物の生きる道が、
きっとどこかにあるはずです。
それを探すのは、飼い主であるあなたの最後の責任です。


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コメント

こんばんは。ご無沙汰しています。
昼間Twitterから楽天のほうへ行き読ませていただきました。
ダイレクトメールもしたんですが 私のブログにもリンクさせていただきますね。

この切実な想いが より多くの人に伝わりますように…。

投稿: こめ | 2012年6月 1日 (金) 23時55分

こめさん、ありがとうございます!
おひとりでも多くの飼い主さんに、この現実を知っていただきたいですね。

投稿: なな猫 | 2012年6月 2日 (土) 22時45分

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